薬を飲んでいる女性

日本でピルが普及しないたくさんの理由

日本において「実際に実践している避妊方法は?」と聞かれたら、大多数がコンドームと答えるのではないでしょうか。
しかしながら、欧米諸国ではコンドームと並んで、またはそれ以上にピルが避妊薬として普及しています。
国によっては60%以上の女性が避妊のためにピルを服用しているというデータもありますが、日本においてはわずか数%の普及率という現実があります。
では、なぜ日本でピルは普及しないのでしょうか。

まず一つ目の理由としては、ネガティブなイメージを感じる人が多いからです。
日本ではピルを服用すると酷い吐き気に襲われる、血栓ができる、などの副作用が起きるリスクが高いと考える人が多く存在します。
中には、いざ子供がほしくなった時に妊娠しづらくなるというイメージを持つ人もいます。

しかしながら、それらは過剰反応と言えます。
一昔前は日本では経口避妊薬として中容量ピルが処方されていた時代もあり、ホルモンの含有量が多いため吐き気などの副作用が伴いました。
しかし、現代では低用量または超低用量ピルが一般的で、副作用は以前に比べて非常に低下しています。
また、ピルを服用することで、服用を辞めた後も妊娠しづらくなるという事実はなく、それは全くの風評です。

もう一つの理由として、入手に手間と費用がかかることも挙げられます。
日本ではピルは産婦人科で処方してもらうことになっています。
そのためには産婦人科を受診しなければいけないため、診察料がかかります。
また、避妊のためのピルは保険適用外なので実費となるため、コンドームに比べると費用がかさむというのもピルが普及しない理由と言えます。

また、ピルは正しく服用すれば99%と高い避妊率を誇り、避妊以外にもホルモンバランスを整えるなど女性には嬉しいメリットがありますが、日本のマスメディアはそれらの功績をあまり広く伝えることをしない傾向にあります。
それには性への距離感がある日本独特の文化が関係していると考えられます。

日本の小学校までで教わる性教育はほとんど意味がない

ピルが普及しない理由の一つに、日本独自の性への距離感が問題だと言及しました。
それと関連付くのですが、日本の性教育は消極的で、特に小学校までに教わる性教育についてはほぼ意味がないと言っても過言ではありません。

性教育で大事なことは、生殖つまりセックスをすると子供ができるということを教えると共に、子供ができるということはどういうことなのかという、子供を持つことへの責任感までを一括りにする必要があります。

しかしながら、日本の性教育、特に小学校までの子供に対してはオブラートに包んだ内容が目立ちます。
かつては人間の体とは、セックスとはと切り込んだ内容で性教育を行っていた時期もありますが、一部大人たちから「不健全だ」などの批判が高まり、内容が変更されました。
今は全裸の体の絵すら教科書に載せず、生殖器についても人間ではない生物のイラストを使っています。

オブラートに包んだ表現で、男性と女性が子供を作るという説明をするだけで、リアルな性を感じさせない性教育を行っているため、それは全くの意味を成しません。
子供の頃にリアルな性は汚らわしいもの、見せてはならないものとして大人たちが扱うため、成長した時にネットや映像媒体などでグロテスクなポルノに触れ、性への偏見を持つ大人に成長してしまうことも少なくありません。

また、教育として子供時代にしっかりと教えてもらえないことで、実際の男女交際からセックスをする機会を得た時、「子供ができる」という概念が薄いまま行為をしてしまうことへもつながります。
実際に踏み込んだ性教育をした結果、未成年の人工中絶率を劇的に低下させた自治体もあり、子供のうちにしっかりと性教育をすることは非常に重要なのです。